そのままにしておく力
賢い心の一つに、『そのままにしておく』というものがあります。
これは、困難な考え(不調)に襲われているとき、それらを『どうこうせず、ただそのままにしておく』という心の使い方です。
困難を認めるという姿勢にも通じます。
一見すると、無責任きわまりないアドバイスに聞こえるかもしれません。
ですが、これは心の本質を突く「賢い対処法」であるとされ、今注目を集めています。
嫌な考えは嫌な気分の時に現れる
単純な原理ですが、嫌な考えは嫌な気分の時こそ生じやすいものです。
これは、心理学研究でも実証されています。(『気分と思考の一致効果』アメリカの心理学者・バウアー氏)。
そして、嫌なことを考え続けると、気分状態が悪化し、それがまた嫌な考えを呼び起こします(これが不調の暴走過程です)。
つまり、不調の時は、元々、嫌な考えが浮かぶものであり、それ故、ムリにどうこうしようとせず、すなわち、不調の波から距離をおくことが、より賢明な心だと言われるのです。
特に、突発的に、理由もなく襲いかかるうつや不安の波には、思い切って、放っておく勇気も必要とされ、またそれが冷静さの回復につながるともされます。
あらゆる不調にはピークがある
私たちは、あらゆる不調にはピークがあることを知っています。不安の発作であれ、うつの渦であれ…。どんな不調にもピークは必ずある。
そして、不調のピークを過ぎれば、徐々にその波が和らぐことも、私たちは経験的に知っています(開き直ったときに視界が開けるのと似たものです)。
闘わなければ、巻き込まれない
こうした知恵は、不調時のピークさえ最小限に抑えることになるかもしれません。
不調の波と闘ってしまえば、その波に呑まれてしまい、不調の渦をより深く感じることになるでしょう。
でも、不調の波と闘わずにいることで、エネルギーの消耗は最小限に抑え、また不調の波を低く乗り超えることもできるのです。
なにより、それで余ったエネルギーを、もっと目の前の活動(会話、食事、趣味、勉強など)に使うこともできるのです。
うつや不安を苦しみ、克服した人には、こうした賢い心の活性化が幅広くみられます。
この辺りの実践の仕方は、マインドフルネストレーニングで詳しく学ぶことができます。
ご興味があれば、一度、お問合せください。