カウンセリングをはじめて利用される方へ、その主な利用の仕方についてご紹介します。
一番はじめのカウンセリングのことを『初回面談』(インテーク面接)と言います。
インテーク面接では、これから始まろうとする『本格的な心理ケア』(継続面接)の土台づくりに当たるものです。
インテーク面接が適切に行われること、それに続く本格的な心理ケアも安全に、安心して利用していただくことができます。
インテーク面接の目的
インテーク面接の主な目的は、以下のようなものです(※あくまで目安に過ぎませんが)。
- ご来室の経緯や理由の確認。
- 主訴(現在の生活で困っていること)の確認。
- 最近の生活状況(睡眠、食事、休息、余暇、注意力など)の確認。
- 家族構成。
- 成育史。
- お仕事のご様子。
- 精神面のご様子(困難な気持ち、考え)。
- 身体面の配慮や持病。
- 死についての考え。
- カウンセリングに期待すること。
- カウンセリングを受けることの負担や心配。
- 継続支援が期待できそうかどうか。
- 来談をサポートしてくるご家族の存在。
そして、何より大事なチェック事項として、担当カウンセラーとの「相性や信用」の確認があります。
- 話しやすさ。
- 否定せずに話を聴いてもらえたか。
- 気持ちを大切にしてもらえたか。
- 今後の方向性を示してもらえたか。
- 話したいことが十分に話せたか。
- 自分の求める心理ケアの資源があるか。
- また通ってみたいと思えたか。
こうした点を確かめることが、インテーク面接の主な目的となります。
インテークの時間を存分に活用するには
限られたインテーク面接時間を存分に活用していただくために、いくつかのアイディアをご紹介します。
- 語りたい事を少し準備しておく(メモを持参してもOKです)。
- 既往歴(病歴や通院歴)がある場合は、その情報もメモしておく。
- 語りたい事がたくさんある場合は、そのなかで重要と思えるいくつかにマークしておく。
- 語りたくない事、未だ語れそうもない事についても抑えておく。
※これらを必ず準備しなければいけない訳ではありません。
無理に多くを語る
必要はありません
カウンセリングで語られる内容は、人それぞれです。
語っているうちに、デリケートな話題(恥部)に触れることもあります。また、それに伴って、様々な感情の変化を体験することもあります。
カウンセリングを安全、安心して利用していただくには、ムリをしないことがとても大切です。
カウンセラーは、ご来談者の「安全」を常に考えて、語り合いに望んでおります。
できれば、ご来談者にも、ご自分の”ほどよい感覚”を大切にしていただき、安全な語りをしてただければと思います。
時には、「パス」の応答も活用して、『この事柄だったら話せそうかも』の感覚を大切に、ご自分のペースで語っていただくことをお勧めします。
こうした点を踏まえて、カウンセリングを利用していただければ、きっと、『来てよかった』と思っていただけるはずです。
お金と時間をかけて利用するインテーク面接(心理カウンセリング)には、こうした心の使われ方(時間の価値)が存在します。