はい。
上手なつきあい方を知ればうつはケアできます
まずは、うつっぽさ(抑うつ状態)の影響を正しく知ることから始めてみましょう。
抑うつ状態の影響には、次のようなものがあります。
- うつっぽい時ほど、頭はより多くのことを処理したがる(心配ごと、後悔なを考え続ける)。
- うつっぽい時ほど、問題が“より深刻”に、“あたかも真実かのよう”に思えてしまいます。
- どれほど真実ぽい考えであっても(記憶、予想、イメージ、頭の中の声など)、あなた人格や未来のすべてを正しく反映している訳ではありません。
抑うつ状態がそうさせている
うつっぽい時ほど、私たちの考え(思考)はネガティブになり、またネガティブな思考が浮かぶことで、ネガティブな気持ちは大きくなります。
これを、抑うつの反すう状態(ぐるぐる思考)呼び、うつっぽさやうつ病の直接的な増幅要因として、近年注目されています。
- なぜ私は物事にもっとうまく対応できないのだろう
- なぜ私には他の人にない問題があるのだろう
- 知人や周りの人は、私の問題点にうんざりしているだろう…
- なぜ自分は、いつもそのようなやり方でしか反応できないのだろう…
- 自分は周りの人にばつの悪い思いをさせている
- こんなふうに感じるなんて、自分には何か間違っていることがある…
こうした考えが繰り返し浮かぶのは、抑うつ状態(うつっぽさ)にあなたの心が傾いていることの証拠であり、それらすべてが抑うつ状態のつくり出す産物と言われます。
闘わなくてよい
困難な気分や考えとは闘う必要はありません(いじくりまわす、考え続ける、無くそうとする)。
それは、抑うつ状態へのさらなる“誘惑”であり(大変だ、深刻だ、何とかしなければ)、より大きな反すう状態をつくり出すための誘い(囁き)だからです。
気づくことが大事
抑うつ状態(反すう状態)からの脱却に重要なのは、今まさに”この瞬間ー”自分がそのような状態に“ある”のに気づく事です。
気づくことで、うつっぽさとの間に距離が生まれます。
その心の距離は、他の対処法(気晴らし、別の見方の検討、ストレス発散など)に意識を向けるための力ともなるでしょうし、その気づくスピードを上げればうつからの脱却はさらに最短化できるでしょう。
解決しなくていいの?
頭に浮かぶ問題を「放っておけない…」と思われるかもしれません。
特にそうした問題が個人的にも重大な意味をもつ場合、なおさらそれを考え続けないと…と反すうへ突き動かされるかもしれないでしょう。
そんな時は、”冷静な心理状態の時に考える!”を心掛けましょう。それまでは保留でいいのです(その勇気がうつのケアに重要です)。
うつっぽい時の心理的状態は、本来のあなたがもつ心理状態からは極めて狭く、そこから見える世界や考えうるアイデア(解釈)などは極端に限定されてしまうでしょう(心理的視野の狭窄とも呼びます)。
判断すべき問題が重大なことだからこそ(仕事や学校の進退、夫婦関係のこと)、それらを判断するのは冷静で心理状態の時がベストです。
ですから、それまでの間は、抑うつのしかけてくる“誘惑”にのらない、騙されない、壊されないが大事で、その代わりに誘惑を”気づき、流し、思い切って無責任になる”ことが、大事なのです。
うつを経験したことのある人は知っているはずです。
うつっぽい状態には必ずピーク(頂点)があり、ずっとは続かないことを。
うつ状態のピークを迎えれば、自然とその波はピークアウトします。
ですから、うつとの上手なつき合い方(コツ)とは、そのピークアウトを出来るだけ早めに迎えることであり、うつのピークを不必要に増幅しないことです。
そのカギとなるのが、「あっ、これって“うつのしわざかも”?」に気づくことです。
この辺りの詳細は、カウンセリングを通じて具体的に対策を立てることができます。
自分のうつっぽさをちゃんとケアしたいという方は、一度、ご連絡ください。